日本大学 国際救助隊 NIHON UNIVERSITY N.RESCUE

N.RESCUE 活動報告
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第6回宇宙エレベーターチャレンジ参加報告



 2014年8月6日~9日に静岡県富士宮市で開催された宇宙エレベーターチャレンジにN.Rescue学生チームが参加しました。昨年のチャレンジで到達高度1200mを達成していましたので、今年は1200mからの安全な降下と確実なエネルギー回生を実現することが目標でした。台風11号が接近しており天候悪化が懸念されましたが、参加した7日~9日は風が強くなったものの、比較的安定した天候で高度1200mまでのバルーン掲揚が行われました。


昇降チャレンジに向けて最後の調整に取組むチームメンバー

 低高度での昇降に成功したN.Rescueの2チームは1200mの高高度バルーンテザーへの挑戦に向けて最後の調整を徹夜で行いました。1200mへの挑戦は強風などの影響が大きく、機械部品や電子機器の耐久性も問われるので、入念なシステム調整が要求されます。チームメンバーは心配される摺動部分や制御プログラムの稼働実験を徹夜で繰り返し、長距離昇降に支障のないクライマーに仕上げていきました。また、昇降の際の様々な画像データを撮り残しておくため、複数台の小型カメラや慣性センサーを組込み実際の昇降チャレンジに備えました。


高高度昇降チャレンジでの昇降機取付けを素早く行うチームメンバー

 参加18チーム中最終日の高高度チャレンジに挑戦できたのはN.Rescueチームを含む7チームでした。N.Rescueのチームは最後の順番での昇降となりましたが、生憎、ひとつ前に昇降したミュンヘン工科大学チームのクライマーが降下の際に高度350mで停止してしまい即座に引き下ろすことも困難であったため、止む無く高度300mまでの昇降チャレンジとなりました。入念な準備をしたにも関わらず実力を示すチャンスが与えられず残念ではありましたが、チームメンバーは与えられた20分間の昇降ウインドウ(20分間で機器の取り付けから昇降ならびに機器取り外しまでを行う競技規則です)で精一杯のパフォーマンスを見せ、与えられた条件での昇降を完全に成功させました。
また、今回の挑戦の目的としてNHKの取材などで掲げていた降下時の回生ブレーキによる発電効果もスマートフォンの充電アプリで確認できるなど、当初に掲げていた以下の6つの改善効果を高高度昇降チャレンジにおいても検証することに成功しました。
・回生ブレーキでスマホ充電の実現
・ディスクブレーキによる減速度制御と高精度位置制御の実現
・緩衝器の衝撃吸収性能向上
・多自由度連結構造の開発と昇降機取付時間の短縮化
・駆動伝達部、摺動部など高精度加工部品の自作による実現
・制御モジュールの改良と制御プログラムの送信合理化
 高高度昇降時の動画像の情報によれば、300mの昇降に要した時間は2分30秒程度でしたので、1200mまでの昇降は約10分で実現でき、20分間では2往復できる可能性を示したことも大きな成果です。3日間の期間中、気候条件が悪かったり、システムトラブルに見舞われたりするたびに、チームメンバーは常にあきらめることなく克服し、ほとんど徹夜で最後までベストを尽くして頑張ってくれました。この3日間での学生たちのチーム力、結束力は日を追うごとに目に見えて向上していき、今年はその点が劇的に変化した学生が何人もいました。最終日の極限に疲れた状態で大学に帰り着き、そのまま家路につきたいところを今回達成できたこと、今後の課題など即座にまとめてレポートしてくれるなど、彼らの短期間の成長に驚かされました。
 今回の活動では理工学部のメンバーのみならず、第4回福島子どもキャンプの支援で宿舎を訪れていたN.Rescueメンバーの生物資源科学部・小林教授や生物資源科学科の支援メンバーの学生さん達ともお互いの情報交流ができ、大変有意義な3日間だったと感じます。
 この後、9月の展示会、10月、11月のイベントまでに開発せねばならないことはまだまだあります。でも、彼らならやり遂げてくれるという確信を得たことが今回の最も大きな成果です。さて、競技会の中で彼らが何を考え、実行したのかは、
9月11日(木)22時からの NHK宇宙チャンネル コズミックフロント「宇宙エレベーター」で紹介されます。

詳細はこちらでご確認ください
コズミックフロント(NHK宇宙チャンネル)「2050年 宇宙エレベーターの旅」(14/9/11放送)



傘雲の富士山を背景に昇降直前の緊張の瞬間

取材陣の注目も集めて緊張が高まる高高度昇降チャレンジ開始の瞬間

宿泊先ではN.Rescue福島子どもキャンプの支援メンバー(生物資源科学部)とも情報交流

昇降後に成果を確認し、満足げな笑顔を見せるN.Rescueチームメンバー

・高高度昇降への挑戦の様子(YouTube)
・回生ブレーキによる発電性能試験の様子(YouTube)

【参加報告】第6回宇宙エレベーターチャレンジーN.Rescue・理工学部ロボット工房「宇宙エレベーター開発チーム」2014年夏の熱い記録ー (日本大学理工学部)

N.Rescue近未来宇宙技術開発チーム